広漠
こうばく
形容詞-たる副詞-と
標準
vast
文例 · 用例
私はそれよりも宗長という連歌師が東国の広漠たる自然の中に下ってもなお廃残の京都の文化を忘れ兼ね、やっとこの上方の自然に似た二つの小峰を見つけ出してその蔭に小さな蝸牛のような生活を営んだことを考えてみた。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
見晴らす広漠とした河原に石と砂との無限の展望。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
吉永は、丘の上の兵営から、まだ、すっかり雪の解けきらない広漠たる曠野を見渡しながら、自分がよくも今まで生きてこられたものだ、とひそかに考えていた。
— 黒島伝治 『渦巻ける烏の群』 青空文庫
碑文谷、武蔵|小山、戸越銀座など、見たことも聞いたこともない名前の町が、広漠たる野原の真中に実在して、夢に見る竜宮城のように雑沓している。
— 萩原朔太郎 『秋と漫歩』 青空文庫
広漠とした広間の中で、私はひとり麦酒を飲んでた。
— 萩原朔太郎 『散文詩集『田舎の時計 他十二篇』』 青空文庫
この点では、電車は、まだ広漠とした感じを与えた。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
音に聞くシャン・ゼリゼーの通りが余りに広漠として何処に風流街の趣きがあるのか歯痒ゆく思えた。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
――汽車は赤城山をその巽の窓に望んで、広漠たる原野の末を貫いていたのであった。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
作例 · 標準
広漠たる砂漠が目の前に広がっていた。
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彼の心には広漠とした寂しさが募っていた。
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広漠と広がる大平原には、動物たちの姿が見えない。
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