荒漠
こうばく
形容詞-たる副詞-と
標準
desolate (e.g. plains)
文例 · 用例
去年はアパートの五階に住み荒漠たる洋室の中壁に寢臺を寄せてさびしく眠れり。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
訪ふものは扉を叩つくしわれの懶惰を見て憐れみ去れども石炭もなく煖爐もなく白堊の荒漠たる洋室の中我れひとり寢臺に醒めて白晝もなほ熊の如くに眠れるなり。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
駅を右に出ると、もう心細いほど、原野荒漠として、何とも見馴れない、断れ雲が、大円の空を飛ぶ。
— 泉鏡太郎 『十和田湖』 青空文庫
スエズで一たん船を降りて、夜中自動車でヱジプトの首都カイロに向つた時、荒漠たるアラビヤ砂漠の中で眺めた星も亦美しかつた。
— 岡本かの子 『星』 青空文庫
私は荒漠たる焼け跡を通って本石町の方へ往き、そこから新常盤橋を渡って東京駅へと往った。
— 田中貢太郎 『死体の匂い』 青空文庫
我は荒漠たる原野に名も知れぬ花を愛づるの心あれども、園芸の些技にて造詣したる矮少なる自然の美を、左程にうれしと思ふ情なし。
— 北村透谷 『秋窓雑記』 青空文庫
その荒漠たる虚無の中へ、ただ一筋の鉄道が、あたかも文明の触手とでもいったように、徐々に、しかし確実に延びて行くのである。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
そうして、再びかの荒漠たる中央アジアの砂漠の幻影が、この濃まやかな人波の上に、蜃気楼のように浮かみ上がって来るのであった。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
作例 · 標準
長年の干ばつにより、その土地は荒漠としていた。
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荒漠たる原野を一人で旅するのは心細い。
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文明が滅びた後、世界は荒漠とした姿になった。
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