披見
ひけん
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
reading
文例 · 用例
幼君たゞちに御披見ありて、「こは一段の思附、面白き取合せなり。
— 泉鏡太郎 『十萬石』 青空文庫
橘は取って披見した後に、枕頭に進んで、声を曇らせながら判然と読んで聞かせた。
— 泉鏡花 『註文帳』 青空文庫
風「何だか僕も始めてお目に掛るのだ」 彼は先づその一通を取りて披見るに、鰐淵直行に対する債務者は聞きも知らざる百円の公正証書謄本なり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
されどそこもとには、天草にて危急の場合を助けられ候恩義|有之、容易に刃を下し難く候については、此状披見次第|申の刻までに早急に国遠なさるべく候。
— 菊池寛 『恩を返す話』 青空文庫
ちょっと披見いたしまする。
— 菊池寛 『藤十郎の恋』 青空文庫
ここに松平のお殿さまからのりっぱなご添書がごぜえますから、ご覧なせえましよ」 うやうやしく伝六が奉書包みをさし出しましたものでしたから、さっそく右門も披見すると、いかさまりっぱなお添書といったことばのとおり、それなる一書は次のごとく書かれた松平伊豆守のお直筆でした。
— 曲芸三人娘 『右門捕物帖』 青空文庫
功名はたてておきたいもので、これが普通の与力同心ならば、ごく内密にといったそのことばのてまえ、容易に披見は許されないはずですが、右門の才腕がものをいいました。
— 生首の進物 『右門捕物帖』 青空文庫
もしこの無心聞き済み無く候はば、別封にいたし置候一通を披見なさるべく候、御聞きとどけ下され候はば、右の別封は御開封におよばず、そのまま御返し下さるべく候 開封に及ばずとあれば、あけて見たいのが人情である。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫