艶文
えんぶん異読 つやぶみ
名詞
標準
love-letter
文例 · 用例
艶文を贈って返事が来ると、二人の仲は公然と認められ、男の子は相手を「おれの娘」とよび女の子は「あたいの好い人」とよび、友達に冷やかされてぽうっと赫くなってうつむくのが嬉しいのだった。
— 織田作之助 『妖婦』 青空文庫
安子が毎朝教室へ行って机を開けると何通もの艶文がはいっていた。
— 織田作之助 『妖婦』 青空文庫
何か子細をかぎ知りうるような女からの艶文だとか、ないしはまた誓紙証文とでもいったようなものでもありはしないかと、心ひそかに予期していたのでしたが、ただ一本銀のかんざしがすべてのなぞを物語っているように、奥深く隠されてあったばかりだったのです。
— 達磨を好く遊女 『右門捕物帖』 青空文庫
女子に文字を教えると艶文ばかり書くと、文字を教えたがらなかったという土地がら、文盲をつくるのに骨を折ったのであろう。
— 長谷川時雨 『西川小りん』 青空文庫
そう思うと、同時にそれは妻を失った東野の真紀子に送っている艶文のようにも聞えて来るのだった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
私は、張文成・宋玉・登徒子等の一人称発想法を採つた遊仙窟や、楚辞末流(此は既に伝来してゐたと信じる)の艶文学が、奈良の貴族や、学者を魅した力は、平安の都にも持ち越されてゐたものと思ふ。
— 万葉集以後の歌風の見わたし 『短歌本質成立の時代』 青空文庫
公爵夫人らの間にも隠語があることは、王政復古頃のきわめて身分の高い美しい一婦人が書いた艶文中の一句が証明している。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫
――見せられめえが、それは、男からきた艶文にちげえねえ」「とんでもない……そんな物ではございません」「いうなっ、もう何も吐かすなっ。
— 吉川英治 『親鸞』 青空文庫
作例 · 標準
例句1
例句2
例句3
例句4