寒酸
かんさん
名詞名詞-の形容詞
標準
suffering in poverty
文例 · 用例
梁肉を貪り喰ひ、酒緑燈紅の間に狂呼して、千金一擲、大醉淋漓せずんば已まざるが如きは、豪快といへば豪快に似たれども、實は監獄署より放免せられたる卑漢が、渇し切つたる娑婆の風味に遇ひたるが如く、十二分に歡をすだけ、其の状寧ろ憫む可く悲しむ可くして、寒酸の氣こそ餘り有れ、重厚のところは更に無いのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
知識人はさういふいはば農民的なものではなく、ものを知ることによつてはじめて得られるもつと高いものを求めてゐるのだといつても、さういふ新しいものは理念としても形成されてゐるかに見えず、實踐的には曾つて持つてゐたものを失つたまま、いかにも寒酸な姿をさらしてゐるだけではないか?
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
八月十四日(土曜) ○体重58キロから48キロに一ヵ月で下った由、 かんさんして見ると48キロというのは十三貫百三十匁云々なり。
— 一九三七年(昭和十二年) 『日記』 青空文庫
「困ったなおい、俺はこれから西の窪の大黒亭まで行かなけりゃならねえ、もうこれ以上つなげねえんだ」 ある晩さんざつないで下りてきた鯉かんさんがいった。
— 正岡容 『小説 圓朝』 青空文庫
こっちはもう仁義だけは尽したつもりだ」 鯉かんさんはいった。
— 正岡容 『小説 圓朝』 青空文庫
「な、何だ」 立ちのまま鯉かんさんは振り返った。
— 正岡容 『小説 圓朝』 青空文庫
「あいすみません、あとにまだ誰も参りませんし、鯉かんさんがお前上がれとおっしゃったもんで」 やっと自分の叱られているわけが分って、にわかにオドオド小圓太はいった。
— 正岡容 『小説 圓朝』 青空文庫
この屋敷で地方長官の父を十七年も看護した忠實な家政婦のかんさんが、一さいの家政の切り盛をやり、ななえもかんさんの言ひなりになる仕向けをうけてゐた。
— 室生犀星 『渚』 青空文庫
作例 · 標準
彼は寒酸たる暮らしに身を置きながらも、決して学問への情熱を絶やすことなく、夜遅くまで古い書物を読み耽った。
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「くそっ、いつまでこんな生活が続くんだ」寒酸なアパートの四畳半で、彼は冷めたカップ麺を啜りながら呟いた。
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かつての大富豪が、今や寒酸な裏通りの古着屋で僅かな小銭を数えている姿に、世の無常を感じずにはいられない。
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どんなに寒酸な境遇であっても、彼女は決して品位を失わず、常に背筋を伸ばして周囲に接していた。
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