因業
いんごう
形容動詞名詞
標準
heartless
文例 · 用例
「それでも隣の家の井戸からは、フンダンに水が出るが」 と云ふと、「わしは、その隣の井戸を覗いた訳ではない」 酒屋の景品券じやあるまいし、この因業家主は店子を「焙り出す」心算でゐるのだ。
— 葉山嘉樹 『井戸の底に埃の溜つた話』 青空文庫
どうせ、おれもこう因業じゃ、いい死に様もしやアしまいが、何、そりゃもとより覚悟の前だ」 真顔になりて謂う風情、酒の業とも思われざりき。
— 泉鏡花 『夜行巡査』 青空文庫
そうやすっぽくあきらめられるようでは、わが因業も価値がねえわい。
— 泉鏡花 『夜行巡査』 青空文庫
長命をさせたいのは山々だけれども、齢も齢だし、あの体では所在もないし、手と云つてはねつから届かないんだから、あゝして生きてゐるのが却つて因業だと、兄は来る客ごとにお世辞の一つのやうに云ひ慣はして居た。
— 有島武郎 『お末の死』 青空文庫
命を繋ぐためとは申せ、因業な活計でござりまして、前世の罪が思い遣られまする。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
引負をさせてまで、勘定を合わしょうなんど因業な事は言わぬ。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
胡は古くからこの倶楽部にいて、因業な、併し物固い(?
— 渡辺温 『象牙の牌』 青空文庫
何しろ冷ツこくなつた人間ばかり扱ツてゐる故か、人間が因業に一酷に出來てゐて、一度|此うと謂出したら、首がして突ツ立ツてゐるのであるから、學生等は、畏縮といふよりは些か辟易の體で逡巡してゐる。
— 三島霜川 『解剖室』 青空文庫
作例 · 標準
借金の取り立てに来た因業な男は、病気の子供がいるのも構わず家財道具を運び出した。
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その強欲で因業な金貸しは、町の人々から蛇のように嫌われ、恐れられていた。
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因業な仕打ちを受けながらも、彼女はいつか必ず報われる日が来ると信じて耐え抜いた。
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