非情
ひじょう
形容動詞名詞-の形容詞名詞頻度ランク #21041 · 青空 243 例
標準
cold-hearted
文例 · 用例
どういふつもりで付けたのかまだ訊ねてみないが、僕が勝手に想像する所では、無口でそつとしておいて貰ひたい男が、誰でもが多かれ少なかれ感じてはゐても余りに底深い、流れだとして殆んど全く触れないで過ぎる態の非情を、人目にも立たず浚渫してゐるといつた風の心得であらうと思ふ。
— 中原中也 『詩集 浚渫船』 青空文庫
實に詩人といふためには、彼の作品は(その二三のものを除いて)あまりに客觀的、合理觀的、非情熱的、常識主義的でありすぎる。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
神は絶対の沈黙者なり、情なくまた非情なしと。
— 中原中也 『地上組織』 青空文庫
もちろん僕らは、その墨絵の中に訴えられている、詩人の深い悩みと感傷とを感ずる故に、それは決して非情緒的ではないけれども、趣味としての反青春的|風貌を感ずるのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
我れ非情の妻と別れてより、二兒を家郷の母に托し、暫くこのアパートメントに寓す。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
いずれにしろ稚純な心には非情有情の界を越え、彼と此の区別を無みする単直なものが残っているであろう。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
女神の顔は氷花のように燦めき、自然のみが持つ救いのない非情と、奥底知れない泰らかさとが、女神の身体から狭霧のようにくゆり出す。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
非情の自然が、自らその頑な固定性に飽いて、抗い出た自己嫌悪の旗印か、または非生の自然に却って生けるものより以上の意志があって、それを生けるものに告げようとする必死の象徴ででもあるのであろうか。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
標準
insentient (objects)