鬱蒼
うっそう
形容詞-たる副詞-と頻度ランク #42261 · 青空 325 例
標準
thick
文例 · 用例
ただ向う側の割竹を並べた垣の上に鬱蒼と茂って路地の上に蔽いかぶさっている椎の木らしいものだけが昔のままのように見える。
— 寺田寅彦 『子規自筆の根岸地図』 青空文庫
その山は全山が森林で掩われて鬱蒼としていた。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
そこは喬い欅や樫や椎の木にまじつて椋の木や櫻の木などが鬱蒼と溪から山腹を覆つてゐた。
— 梶井基次郎 『闇への書』 青空文庫
神田川の中、水道橋辺より○御茶の水橋下流に至るまでの間は、扇頭の小景には過ぎざれども、しかもまた岸高く水|蹙りて、樹木鬱蒼、幽邃閑雅の佳趣なきにあらず。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
なるほど庭の左の方の隅は山嘴が張り出していて、その樹木の鬱蒼たる中から一条の水が落ちているのらしく思えた。
— 幸田露伴 『観画談』 青空文庫
独り、静かに、大きく、寂しく……大密林だった札幌原野の昔を語り伝えようとするもののごとく、黄ばんだ葉に鬱蒼と飾られて……園はこの樹を望みみると、それが経てきた年月の長さを思った。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
遠く望めば山の形|恰かも円筒を立てたるがごとく、前面は直立せる千丈の絶壁、上部は鬱蒼として樹木生茂っている。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
試みに、千日前|界隈の見晴らしの利く建物の上から、はるか東の方を、北より順に高津の高台、生玉の高台、夕陽丘の高台と見て行けば、何百年の昔からの静けさをしんと底にたたへた鬱蒼たる緑の色が、煙と埃に濁つた大気の中になほ失はれずにそこにあることがうなづかれよう。
— 織田作之助 『木の都』 青空文庫
作例 · 標準
例句