地面
じめん
名詞頻度ランク #5715 · 青空 4523 例
標準
ground
文例 · 用例
戸外は――地面は半ば乾いてあつたかい、空を風は、目標ありげにとぶ、梅雨期の或る一日だ。
— 中原中也 『夭折した富永』 青空文庫
昨日迄大変暑かつたのにも今日はボンヤリした日が射してゐて、時々夕立でも降らせさうな雲の塊が乾き切つた庭の土を薄暗くしたり、そして稀々しくも地面を匍ふやうな微風が所々に生えた雑草などを揺るので、私の心は思ひ出を巡るに似合はしい気分になつて、その蛇の思ひ出はだんだん拡がつていつた。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
今にも太陽系の平衡が破れでもするように、またりんごが地面から天上に向かって落下する事にでもなるように考える人もありそうである。
— 寺田寅彦 『春六題』 青空文庫
斜めに来る光がこの饅頭笠をかぶった車夫の影法師を乾き切った地面の白い上へうつして、それが左右へゆれながら飛んで行くのが訳もなく子供心に面白かったと見える。
— 寺田寅彦 『車』 青空文庫
少年時少年時黝い石に夏の日が照りつけ、庭の地面が、朱色に睡つてゐた。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
後ろ頭か、首筋に寒気でもするんかい」 私は又、実際、セコンドメイトが、私の眼の前に、眼の横ではいけない、眼の前に、奴のローラー見たいな首筋を見せたら、私の担いでいた行李で、その上に載っかっている、だらしのないマット見たいな、「どあたま」を、地面まで叩きつけてやろう!
— 葉山嘉樹 『浚渫船』 青空文庫
こいつは全で空気と同じく、あらゆる地面を蔽ってはいたが、捕えるのに往生した。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
團體の爲に一時小さな室に追ひやられた埋合せに、今度はがらあきになつた三階の一番廣く見晴らしのいゝ上等の室に移され、地面迄數へると五階の窓下を、淙々として流れる溪流の水音と、窓外の高杉の梢にしみ入る山雨の音を聞きながら此處へ來てはじめての安らかな眠りに落ちて行つた。
— 寺田寅彦 『伊香保』 青空文庫
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