痴鈍
ちどん
形容動詞名詞
標準
dull-witted
文例 · 用例
『川辺』や『野路』など肉の薄いものではあるが、一種の凄惨なリアリティをもつてゐる『野路』の子供達の表情に痴鈍な美がある。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
」 そうして、仕事にかけては機敏で実際的で、明敏でさえあるアグネスが「再び反抗して立ち上って」結婚というものを否定しはじめると、これは又何と痴鈍に頑固に、非現実的に偏執的になるのであろう!
— ――アグネス・スメドレーとパァル・バック―― 『中国に於ける二人のアメリカ婦人』 青空文庫
貧苦のために痴鈍になったとはいうものの、元来|樸訥で優しい気象を彼はもっているのである。
— モーリス・ルヴェル Maurice Level 『乞食』 青空文庫
痴鈍な私は幾多の迷路を迂回して今頃ようやく祖国の上に熱愛を捧げる一人の日本人となった。
— 与謝野晶子 『鏡心灯語 抄』 青空文庫
このようなところで身体の虚弱な精神の痴鈍な、団体の厄介になるに過ぎぬような人間を、どうなりこうなりただ生かしてさえおけばよろしいと、人工的に手をつくして生かしておくということは、一方から考えてみると全団体のためにはずいぶん不利益なことである。
— 丘浅次郎 『進化論と衛生』 青空文庫
屠殺の凄惨な印象のお蔭でみな異様な痴鈍状態におちいり、あおのけに寝たまま、一日中、うつらうつらしていた。
— 久生十蘭 『海難記』 青空文庫
いかに痴鈍な僕といえども、現在の自分に対してはこれで血の代を払ってるんだ」 津田は小林の得意が癪に障った。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
痴鈍なるインテリ大衆や人民大衆に反抗する、選良インテリの軒昂たる意気から云っても、その着眼のスマートさから云っても、その方法のファッション・アラ・モードぶりから云っても、そして更に行政上の反動政策の文化的顧問力から云っても、その意義の重大さは、いまは広く認められているのである。
— 戸坂潤 『世界の一環としての日本』 青空文庫
作例 · 標準
その痴鈍な質問に、先生はため息をついた。
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彼は決して痴鈍な人間ではないが、今日は冴えない。
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痴鈍なふりをして、相手を油断させる作戦だ。
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