卑下
ひげ
名詞動詞-サ変動詞-他動詞頻度ランク #33063 · 青空 386 例
標準
self-abasement
文例 · 用例
) 要するに芸術の泉とは徒然草に、心の鏡が澄んでゐれば全ての物が正しく映る云々の裡にあるのであつて、東洋人は自然に対しては非常に心澄ませたが、人に対しては未だ澄むことなく、卑下しすぎたり頑なだつたりしてゐる。
— 中原中也 『詩に関する話』 青空文庫
小生、このごろボオドレエルを讀み返し、反省悔恨の強烈を學びつつあります」といふ言葉だつたので、私も之以上、愚圖愚圖してゐるのは、かへつて厭味な卑下だと思ひ、叔母を訪ねることにしました。
— 太宰治 『このごろ』 青空文庫
それは何等卑下する必要のないことなのだ。
— 葉山嘉樹 『氷雨』 青空文庫
「イヤとてもお話にもなんにも……」 これが河田翁持ち前の一つで、人に対すると言いたいことも言えなくなり、つまらんところに自分を卑下してしまうのである。
— 国木田独歩 『二老人』 青空文庫
彼女は、自分の家の地位が低いために、そういう金持の間に伍することが出来ないように、自から、卑下していた。
— 黒島傳治 『電報』 青空文庫
おきのは、走りよって、息子のことを、訊ねてみたかったが、醤油屋へ、良人の源作が労働に行っていたのを思い出して、なお卑下して、思い止まった。
— 黒島傳治 『電報』 青空文庫
いまは、あのように街路で無心のふうを装い、とるに足らぬもののごとくみずから卑下して、芥箱を覗きまわったりなどしてみせているが、もともと馬を斃すほどの猛獣である。
— ―伊馬鵜平君に与える― 『畜犬談』 青空文庫
よき物まいらせんとてかの君手さげの内を探りたまいしが、こはいかに宝丹を入れ置きぬと覚えしにと当惑のさまを、貴嬢は見たまいて、いなさまでに候わずとしいて取り繕わんとなしたもうがおかしく、その時もしわが顔に卑下の色の動きたりせば恕したまえ。
— 国木田独歩 『おとずれ』 青空文庫