隔意
かくい
名詞
標準
reserve
文例 · 用例
二人が少しも隔意なき得心上の相談であったのだけれど、僕の方から言い出したばかりに、民子は妙に鬱ぎ込んで、まるで元気がなくなり、悄然としているのである。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
ときとすると、女が何事もあけすけに打明話をしてくれるのを、自分に対して隔意がないからだとも考へ直して見て、そこに昔の大通のあつさりした遊振りを思合せて、聊かの満足を覚えることもあつた。
— 平出修 『瘢痕』 青空文庫
時刻がまだ早いとは思ったが、上大須まで一気にたどるわけにはいかないので、叔父はそのうちの大きそうな家に立寄って休ませてもらうと、ここらの純朴な人たちは見識らない旅人をいたわって、隔意なしにもてなしてくれた。
— 岡本綺堂 『くろん坊』 青空文庫
老幼賢愚の隔意なく胸襟を開いて平々凡々に茶を啜り、談笑して御座る。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
そして美しきものに対するある隔意を感じながら裏口にまわった。
— 素木しづ 『咲いてゆく花』 青空文庫
つまり、「無名作家の日記」は、小説であるだけに、可なり違つてゐるので、その当時芥川や久米に対し、僕が隔意があつた訳ではないのである。
— 菊池寛 『世に出る前後』 青空文庫
その時夫人が振り返って葉子の顔を見たならば、思わず博士を楯に取って恐れながら身をかわさずにはいられなかったろう、――そんな場合には葉子はもとよりその瞬間に稲妻のようにすばしこく隔意のない顔を見せたには違いなかろうけれども。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
が、会って見れば少しも隔意がなく打解けていた。
— ――尾崎紅葉―― 『硯友社の勃興と道程』 青空文庫
作例 · 標準
「お互い腹を割って話そう。いつまでもそんな隔意を持たれたままでは、共同プロジェクトは進められない」
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長年の誤解が解けると、二人の間にあった隔意はいつの間にか消え去っていた。
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彼は丁寧すぎる物腰で接してくるが、それがかえって心の隔意を感じさせる。
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「まあ、そう隔意を置かずに、親戚だと思って何でも相談してくれよ」
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