不言
ふげん
名詞
標準
silence
文例 · 用例
しかし学者は初め不言裡に「かくのごとき風なき時は」という前提をなしいたるなり。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
そしてまた実際において、そういう中川べりに遊行したり寝転んだりして魚を釣ったり、魚の来ぬ時は拙な歌の一句半句でも釣り得てから帰って、美しい甘い軽微の疲労から誘われる淡い清らな夢に入ることが、翌朝のすがすがしい眼覚めといきいきした力とになることを、自然|不言不語に悟らされていた。
— 幸田露伴 『蘆声』 青空文庫
これからは、不言実行、という事にしましょう。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
あの日、藤野先生が、ひとりごとのようにしておっしゃった「不言実行」の意味がわかったような気がした。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
このように誰にも知られず人生の片隅においてひそかに不言実行せられている小善こそ、この世のまことの宝玉ではなかろうかと思った。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
上擧の例に照らせば、不言の裏に予が意は自ら明らかであるが、之はまさに一切の美なるもの用有るものに對しては助長の念を懷くべく、決して剋殺の事をなすべからざるものである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
どうも、不言実行には、かなわない。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
女体の不言実行の愛とは、何を意味するか。
— 太宰治 『HUMAN LOST』 青空文庫