節婦
せっぷ
名詞
標準
chaste wife
文例 · 用例
色黒く眉薄く、鼻は恰もあるが如く、唇厚く、眦垂れ、頬ふくらみ、面に無数の痘痕あるもの、豕の如く肥えたるが、女装して絹地に立たば、誰かこれを見て節婦とし、烈女とし、賢女とし、慈母とせむ。
— 泉鏡花 『醜婦を呵す』 青空文庫
もともと人間がそういうことを拵えたのなら、誰だって同一人間だもの、何|密夫をしても可い、駈落をしても可いと、言出した処で、それが通って、世間がみんなそうなれば、かえって貞女だの、節婦だの、というものが、爪はじきをされようも知れないわ。
— 泉鏡花 『化銀杏』 青空文庫
南へ南へと道を取って行くと、節婦橋という小さな木橋があって、そこから先にはもう家並みは続いていない。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
強い人は幸にして偉人となり、義人となり、君子となり、節婦となり、忠臣となる。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
さぞかしそちとしては辛くもあろうし、きくもけがわらしい事であろうが、一つには可哀そうな十一人の女子のために、二つにはその女子共を掠められて恨み泣きに泣き恨んでおる領民共のために、三つには八万騎旗本一統の名誉のために、そちが重責|荷った節婦になるのじゃ。
— 日光に現れた退屈男 『旗本退屈男 第八話』 青空文庫
なれども、天下の御政道のために、是非にも節婦となって貰わねばならぬ。
— 日光に現れた退屈男 『旗本退屈男 第八話』 青空文庫
かうして優しく夫に劬られると、感心な節婦の話ででもあるかのやうに自分が眺められる。
— 水野仙子 『神樂阪の半襟』 青空文庫
やれ節婦だ、孝子だッておだてあげて、――抑えて置くのよ。
— 小林多喜二 『不在地主』 青空文庫
作例 · 標準
夫を亡くした後も再婚せず、操を守り通した彼女は、村中の人々から節婦として尊敬された。
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講談の中で語られる節婦の物語は、古くから日本人の道徳観に大きな影響を与えてきた。
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歴史の教科書には、戦乱の世で力強く生きた節婦たちの逸話がいくつか紹介されている。
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