錦旗
きんき
名詞
標準
pennant
文例 · 用例
翌四日にも、幕軍は敗勢を返さんとして戦ったが、此日仁和寺宮|嘉彰親王が、金甲馬に跨り、前駆に錦旗を飜して、陣頭に進まれたので、絶えて久しき錦の御旗を仰いだわけで、官賊の別が判然としたので、薩長の軍は意気軒昂となり、幕軍は意気沮喪して、いよいよ敗勢の著しいものがあった。
— 菊池寛 『鳥羽伏見の戦』 青空文庫
勿論、その討伐軍は大垣、筑紫の両藩十万人を先鋒にして、錦旗にこの世の春を誇り乍ら、すでにもう江戸を進発しているのだ。
— 佐々木味津三 『十万石の怪談』 青空文庫
山田|美妙氏の『村上義光錦旗風』が単行本として出版されたが、これも余り問題にならなかった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
折しも寶庫開扉にて眞僞は知らず、馬子大臣の畫などいふあり、金岡の畫といふもあり、「文」にて教へられしアツシリヤ風の模樣ありといふ騎馬にて虎を射るさまの人物を織り出したる錦旗は、四天王紋と寺にては傳ふるなり、金堂の天蓋なる技藝天女の像は此に陳列してあり。
— 内藤湖南 『寧樂』 青空文庫
「すでに、有栖川宮が錦旗を奉じて、東海道をお下りになっているという確報も参っております。
— 菊池寛 『仇討禁止令』 青空文庫
恒太郎は、成田の怒声にも屈することなく、温かな平生通りの声で、「成田殿のお言葉ではござりまするが、徳川御宗家におかせられましても、いまだかつて錦旗に対しお手向いしたことは一度もござりませぬ。
— 菊池寛 『仇討禁止令』 青空文庫
「土佐兵に抵抗するというのか、錦旗を奉じている土佐兵に。
— 菊池寛 『仇討禁止令』 青空文庫
彼らは、桑名が朝敵になった今、錦旗を擁して、どんなひどい仕返しをするかもわからない。
— 菊池寛 『乱世』 青空文庫