目路
めじ
名詞
標準
field of vision
文例 · 用例
………其の埃は今日も東京の空に漲ツて、目路の涯はぼやけて、ヂリ/″\照り付ける天日に焦がされたやうになツてゐた。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
大沼小沼の在所もほぼ目路に辿られ、あの辺から奥へ、いま私たちが憎みを起すほど勝気にまかせて一人で姿を隠して行った独身の中年女の哀れさ寂しさが美しい霧越しの裸体の俤のまゝに眼の宙に浮びます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
と、遥かに目路から細い岬が尖りだす。
— 北原白秋 『畑の祭』 青空文庫
耿としてわたれ、むら鳥、目路遠く秋はあるなり。
— 北原白秋 『第二海豹と雲』 青空文庫
磯邊に立てる荒屋、童女は早く眠りて、女房廚屋に隙や得つる、形よき貝の火盤を南の窓に點して、舟漕ぐ目路にと輕くすゑぬ。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
見えない程にも身延のお山につづく街道は、谷も霧、杜も霧、目路の限り夢色にぼうッとぼかされて只いち面の濃い朝霧でした。
— 身延に現れた退屈男 『旗本退屈男 第六話』 青空文庫
大江戸は、目路の限り、黒い布をひろげたような濃い闇です。
— 千代田城へ乗り込んだ退屈男 『旗本退屈男 第十一話』 青空文庫
黄ばみそめた銀杏の樹陰に隱れ見えしながら、豆のやうに並んで歩いて行く二人の後姿は、私がかうしてこゝに寂しく見送つてゐる事を知らずに、いつまでもいつまでも、それは永久に振り返る事を許されぬ影のやうに、だんだんと私の目路から去つて行きました。
— ――ある妻の手紙―― 『道』 青空文庫
作例 · 標準
霧が晴れ、真っ直ぐに伸びる「目路」の先にようやく灯台の光が見えた。
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彼女の「目路」に入るのは、ただ愛する人の背中だけだった。
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地平線まで続く広大な草原を眺めると、自分の「目路」の広さに驚かされる。
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