怪我の功名
けがのこうみょう異読 ケガのこうみょう
表現名詞多音語
標準
fortunate error
文例 · 用例
広大な松林の中を一直線に切開いた道路は実に愉快なちょっと日本ばなれのした車路で、これは怪我の功名意外の拾い物であった。
— 寺田寅彦 『異質触媒作用』 青空文庫
してみれば、唯今の粗忽もかえって怪我の功名かと存じまして……」 この一言を聞かれると、主上の御機嫌は直ったが、しかし何となく寂しそうだった。
— 薄田泣菫 『艸木虫魚』 青空文庫
女性の作家たちは生々しい現実に下手に煩わされていないための怪我の功名が、現在の活溌な様相だとあれば、彼女たちの小説の評価はどうなるか、と。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
オープンアーキテクチャーをとったことには、その意味では怪我の功名としての一面もあった。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
」「さよう、少々|仕る」「多摩川におけるご功名は児童走卒も存じおりますところ……」「なんの、あれとて怪我の功名で」「ええ誠に失礼ではござるが、貴所様が藪殿に相違ないという何か証拠はござりませぬかな?
— 国枝史郎 『大鵬のゆくえ』 青空文庫
中には怪我の功名ともいはうか、一場の失策が意外にも効果的であつたので、それが一種の小書として遺つたものもあるけれども、多くは芸術的冒険者が苦心惨澹して工夫し出した伝統破壊の記録である。
— 野上豊一郎 『演出』 青空文庫
是が真に怪我の功名と申すものかと存じます。
— 三遊亭圓朝 『名人長二』 青空文庫
然るに我々の立場はといへば、怪我の功名でも良いし、落首を拾つてゞも天下に名を成したいといふ野武士のやうな魂胆で、少しぐらゐ不純だつて世間に受ければ良いぢやないか、といふサモしい量見をかくしてゐる。
— 坂口安吾 『処女作前後の思ひ出』 青空文庫