懐疑的
かいぎてき
形容動詞
標準
skeptical
文例 · 用例
そうしてその上で「人の心は飛鳥川、変るは勤めのならひぢやもの」という懐疑的な帰趨と、「わしらがやうな勤めの身で、可愛と思ふ人もなし、思うて呉れるお客もまた、広い世界にないものぢやわいな」という厭世的な結論とを掲げているのである。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
これに関してはかえって地質学者の多くが懐疑的であるように見えるが、物理学者の目から見れば、この適用は、もし適当な注意のもとに行なわれさえすれば、むしろ当然の試みとして奨励遂行さるべきものと思われる。
— 寺田寅彦 『自然界の縞模様』 青空文庫
前者は信仰的主観的であるが、後者は懐疑的客観的だからかもしれない。
— 寺田寅彦 『コーヒー哲学序説』 青空文庫
彼等は当時の科学思潮と唯物観とを信奉して、ひとえに懐疑的態度を取り、前代浪漫派の楽天観に反対した。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
彼等の意志は、浪漫派の感傷道徳に反対して、他の懐疑的な見地に於ける、別の正義感を叫んでいたのだ。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
しかしこうした懐疑的思索の中でも、自由詩に関する詩形上の問題だけは、比較的事が簡単であるだけに、可成動きのない確信にまで到達していた。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
僕はそれを考えると、現代の社会機構に対して懐疑的になり、この世が恨めしくなって来るのだ。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
」「けれども、」弱い十兵衛は、いたずらに懐疑的だ。
— 太宰治 『帰去来』 青空文庫