秋気
しゅうき
名詞
標準
autumn air
文例 · 用例
北越の猛将上杉謙信が「数行過雁月三更」と能登の国を切従えた時吟じたのも、霜は陣営に満ちて秋気清き丁度|斯様いう夜であった。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
謙信も亦、信玄に劣らぬ文武兼備の大将で、文芸の趣昧ふかく、詩にはおなじみの、|霜満軍営秋気清数行過雁月三更越山併得能州景遮莫家郷|憶遠征 の詩があり、歌には、ものゝふのよろひの袖を片しきし枕にちかき初雁の声 などある。
— 菊池寛 『川中島合戦』 青空文庫
馬嘶キテ白日ハ暮レ剣ヲ鳴シテ秋気ノ来タル我ガ心ハ渺トシテ際リ無ク河上ニ空シク徘徊ス * 僕の知友に、風博士といふ男がゐる。
— 牧野信一 『「学生警鐘」と風』 青空文庫
魚容はそのよごれ物をかかえて裏の河原におもむき、「馬|嘶て白日暮れ、剣鳴て秋気来る」と小声で吟じ、さて、何の面白い事もなく、わが故土にいながらも天涯の孤客の如く、心は渺として空しく河上を徘徊するという間の抜けた有様であった。
— ――新曲聊斎志異―― 『竹青』 青空文庫
春気・夏気・秋気・冬気というのは、各季節の気で、春気は愛、夏気は楽、秋気は厳、冬気は哀ということは、四季の作用上から考えて、四季の気の性質を抽象的に語ったものである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
時は九月の中旬、残暑はまだ堪え難く暑いが、空には既に清涼の秋気が充ち渡って、深い碧の色が際立って人の感情を動かした。
— 田山花袋 『蒲団』 青空文庫
新涼の秋気はすでに二階の部屋にも満ちて来た。
— 島崎藤村 『秋草』 青空文庫
身心平静、秋気清澄。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
作例 · 標準
朝晩はめっきり秋気を感じるようになった。
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山々にはすでに秋気が漂い、紅葉が始まっていた。
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秋気を含んだ風が、窓から心地よく吹き込んできた。
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