余生
よせい
名詞頻度ランク #33289 · 青空 310 例
標準
one's remaining years
文例 · 用例
寺の住持になって世を隠遁し、読経と墓掃除に余生を送りたいといった彼の言葉は、決して一時の戯れではなく、彼の心の無限の悲哀を告白した言葉であった。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
私はそこにロダンの傑作、黄銅時代、ダナイト、美しき冑造り、接吻等に変って、バルザックの寝巻姿が私達の心に憂鬱な余生を送る心理学者のように映るのを見るのであった。
— 吉行エイスケ 『バルザックの寝巻姿』 青空文庫
幾ばくもない余生ではあらうが、その間でも、寂しい、真暗な時間がどれほど続くかはしれないが、自分は果してそれに堪へ得るであらうか。
— 平出修 『計画』 青空文庫
復讐の同盟に加わることを避けて、先君の追福と陰徳とに余生を送った大野九郎兵衛は、不忠なる元禄武士の一人として浄瑠璃の作者にまで筆誅されてしまった。
— 岡本綺堂 『磯部の若葉』 青空文庫
余生いつまで保つかは解らないけれど、枯木死灰と化さないかぎり、ほんとうの故郷を欣求することは忘れていない。
— 種田山頭火 『故郷〔扉の言葉〕』 青空文庫
イワンの兄は、そんな穴の底で、イワンの代りにその余生を暮さなければなりませんでした。
— 渡辺温 『イワンとイワンの兄』 青空文庫
森へ帰って、あたりまえの、つまらぬ婆として余生を送ろう。
— 太宰治 『ろまん燈籠』 青空文庫
老婆は、森へ帰り、ふつうの、おとなしい婆さんとして静かに余生を送ったのである。
— 太宰治 『ろまん燈籠』 青空文庫