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一糸

いっし
名詞
1
標準
thread
文例 · 用例
その半腹にかかりある巌角の苔のなめらかなるに、一|挺はだか蝋に灯ともしたる灯影すずしく、筧の水むくむくと湧きて玉ちるあたりに盥を据えて、うつくしく髪結うたる女の、身に一糸もかけで、むこうざまにひたりていたり。
泉鏡花 龍潭譚 青空文庫
ただ一筋の系統によって一糸乱れぬ物理学の系統を立てようという希望は決して悪くはないが、人間の便宜という点から考えるとそれはむしろ不便である。
寺田寅彦 物理学と感覚 青空文庫
「植物社会学」の教科書の記事は、人間の社会生活と一糸の連絡もない。
寺田寅彦 科学と文学 青空文庫
そのほか駅の構内で怒鳴りまわる貨物仲仕の声、魚市場の問屋のセリ声、物売の声、下足番の声、又は狂い飛ぶ火花と、轟々たる機械の大噪音の中に、一糸を乱さず、職工を叱※する錆びた声……なぞの中には、松籟、濤韻と対比すべき或るものを含んでいることを、よく気付かせられる。
夢野久作 「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能 青空文庫
少年がその時のその意気、その姿、その風情は、たとい淑徳貞操の現化した女神であっても、なお且つ、一糸|蔽える者なきその身を抱かれて遮ぎり難く見えたから。
泉鏡花 黒百合 青空文庫
――きみの前だが、その時タオルも棄てたから一糸も掛けない、浴後の立姿だ。
――(前題――楊弓) ピストルの使い方 青空文庫
男は前にも云う如く、身には一糸を附けざる赤裸で、致命傷は咽喉であろう、其疵口から滾々たる鮮血を噴いていた。
岡本綺堂 飛騨の怪談 青空文庫
宮子は一糸もまとわぬ全裸の豊満な、白い肉体をくの字にくねらせながら、湯槽へ近づいて来ると、「お加減はいかが……?
織田作之助 それでも私は行く 青空文庫
作例 · 標準
事件現場には、犯人が残したと思われる一糸の髪の毛が落ちていた。
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蜘蛛の巣は、朝日を浴びて一糸一糸が銀色に輝いていた。
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滝壺で、若者たちが一糸まとわぬ姿で水浴びをしていた。
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