悲傷
ひしょう
名詞動詞-サ変
標準
grief
文例 · 用例
しかし国民性の本質が、内奥に於て如何にその外観とちがっているかは、かの日清・日露等の役に於ける兵士の軍歌(雪の進軍と、此処は御国を何百里)が、歌曲共に、哀調悲傷を極めているに見ても解る。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
日本人がもし真に好戦的だったら、ああした哀調悲傷の歌曲は、決して行進の軍歌として取らないだろう。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
この二人の人の悲傷は、自分の死を弔ふに十分である。
— 木下杢太郎 『少年の死』 青空文庫
姫は我歌を遮り留めて、止めよ、われは悲傷の詞を聞かんことを願はず、汝が心まことに樂しからずば、姑く我が爲めに歌ふことを休めよと宣給ひぬ。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
貫之の土佐日記なぞを見ると、男のする日記を女もして見ると言つてあり、當時男のもてはやした文學が憶良の『悲傷亡妻詩』の序や、または家持の大伴池主に報いた詩の序の延長のやうな漢文口調のものであつたらうかと想像すると、支那文化の影響も大きいといふ感じがする。
— 島崎藤村 『桃の雫』 青空文庫
ちちははのめぐみもふかきこかはでら ほとけのちかきたのもしのみや 日に焼けた醜い顔の女では有りましたが、調子の女らしい、節の凄婉な、凄婉なというよりは悲傷しい、それを清しい哀しい声で歌いましたのです。
— 島崎藤村 『旧主人』 青空文庫
ナチス・ドイツは、女性の歎きと訴え、人民全般の悲傷の思いをふみにじって、戦争中、婦人が喪服をつけることを禁止した。
— 宮本百合子 『世界の寡婦』 青空文庫
歴史が現代のように強烈な動きを起している時代にあっては、生のよろこび、愛の成就そのものも単一平坦な道を通ることがむずかしくて、ある場合には殆ど耐えがたいような悲傷、痛心を耐え終せて、自分たちの愛を完うせざるを得ないような場合も殖えて来ているのである。
— ――世界と日本の文化史の知識―― 『世代の価値』 青空文庫
作例 · 標準
彼の訃報に接し、深い悲傷の念に駆られた。
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その出来事は、彼女の心に拭い去れない悲傷を残した。
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詩人は、愛する人を失った悲傷を歌に託した。
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