遺髪
いはつ
名詞
標準
hair of the deceased (retained as a keepsake)
文例 · 用例
屍体はすぐに火葬に付して、遺髪と遺骨とを持って帰るとのことであった。
— 岡本綺堂 『五色蟹』 青空文庫
遺髪位葬つてあるのかもしれない。
— 田山録弥 『百日紅』 青空文庫
浩さんは松樹山の塹壕からまだ上って来ないがその紀念の遺髪は遥かの海を渡って駒込の寂光院に埋葬された。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫
九人のものはこの時一旦|遺書遺髪を送って遣った父母妻子に、久し振の面会をした。
— 森鴎外 『堺事件』 青空文庫
それを机の抽斗から取出した半紙でクルクルと包みまして、同じ抽出から出した屍体検案書の刷物や二三の文房具と一緒に先刻の屍体台帳の横に置並べましたが、やがて鉄製の円型腰掛を引寄せながら、新しい筆を取上げて墨汁を含ませますと、今の半紙の包みの上に恭しく「遺髪」「呉モヨ子殿」と書きました。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
見ると弟の大之丞の筆で、父はもう廿二日に死去してその遺髪を持って帰郷する、定めてこの宿に立寄るであろうから知らすというのであった。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
それから松山の代々菩提所としている、正宗寺へ遺髪を葬った。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
彼の振分けの行李の中には、求馬左近甚太夫の三人の遺髪がはいっていた。
— 芥川龍之介 『或敵打の話』 青空文庫
作例 · 標準
母は、亡くなった父の遺髪を大切に小箱にしまっている。
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遠い昔、愛する人の遺髪を身につける習慣があったと聞く。
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戦死した兵士の遺髪が、故郷の家族のもとに届けられた。
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