田野
でんや
名詞
標準
cultivated fields
文例 · 用例
そして単に野生の木の実を拾うような「観測」の縄張りを破って、「実験」の広い田野をそういう道具で耕し始めてからの事である。
— 寺田寅彦 『言語と道具』 青空文庫
時どき烟を吐く煙突があって、田野はその辺りから展けていた。
— 梶井基次郎 『城のある町にて』 青空文庫
田野を闢き、学校を興し、勤倹身を持し、敦厚人を待つ。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
其中でも矢田野伊豆などいう奴は逃出して故郷の大里城に拠って伊達家に対して反旗を翻えした位だ。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
そこから斜に濃い藍の一線を曳いて、青い空と一刷に同じ色を連ねたのは、いう迄もなく田野と市街と城下を巻いた海である。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
けれどもこの辺の田野の名物である榛の木立が畦道の碁盤目や綾菱形の上に立ち並び、その梢には乾びた実が房になって懸かり、吹きすさぶ夜風に絶えず鳴るのでその音からしてだけでも、微塵の玉屑が空に立ち昇るように感じられるそのためにか月下の世界は白檀の燻気ほどにはほのかな色に染められているように思われます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
田野には低く夕靄が匍って離れ離れの森を浮島のように漂わした。
— 岡本かの子 『荘子』 青空文庫
此に掲ぐるものは長き文章の一部にして我が郷の田野の寫生なり。
— 長塚節 『寫生斷片』 青空文庫
作例 · 標準
故郷の駅に降り立つと、目の前には広大な田野が広がっていた。
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春になると、田野一面に菜の花が咲き乱れる。
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田野を渡る風が、稲穂を優しく揺らしていた。
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