破戒
はかい
名詞
標準
breaking a commandment (usually religious)
文例 · 用例
しかし、日露戦争の勃発当時にあって、長編「破戒」の稿を起すにあたって、従軍したつもりで作品に力を打ちこむと云われたと伝えられる。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
「聞けば淨圓寺の住職は破戒の堕落僧だといふ。
— お文の魂 『半七捕物帳』 青空文庫
僧一 ――(釈尊に一礼して)破戒の比丘は絡め取って、教団から追放するのが掟で御座います。
— 岡本かの子 『阿難と呪術師の娘』 青空文庫
左様な事柄には破戒僧の敬虔さを以て臨むのが賢明であるのに。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫
破戒にとるべき所はないが只此點に於テ他をぬく事數等であると思ふ。
— 夏目漱石 『鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年』 青空文庫
自分で勝手に、自分に約束して、いまさら、それを破れず、東京へ飛んで帰りたくても、何かそれは破戒のような気がして、峠のうえで、途方に暮れた。
— 太宰治 『I can speak』 青空文庫
むかし物語によくあります、峰の堂、山の祠で、怪しく凄い神たちが、神つどいにつどわせたという場所へ、破戒坊主が、はい蹲ったという体で、可恐し可恐し、地蔵様の前に踞んで、こう、伏拝む形をして、密と視たんで。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
いつか集金に行って乱暴されたことがあってから山谷という破戒僧面をした四十男を雇って集金に廻らしていたが、むろん山谷は手弁当で、安二郎のところで昼食すら出されたことはなかった。
— 織田作之助 『雨』 青空文庫