火入れ
ひいれ
名詞
標準
fire pan
文例 · 用例
) とちょっと翳した、火入れは欠けて燻ぶったのに、自然木を抉抜の煙草盆。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
枕頭には綺麗に火入れの灰を均した莨盆と、折り目の崩れぬ新聞が置いてあった。
— 徳田秋声 『新世帯』 青空文庫
お増は火入れに吸殻などの燻っている莨盆を引き寄せて、澄まして莨を喫していた。
— 徳田秋声 『爛』 青空文庫
火入れを持って来させて夫人は良人の外出の衣服に香を焚きしめさせていた。
— 真木柱 『源氏物語』 青空文庫
心にもない歎息をしながら、着がえをして、なお小さい火入れを袖の中へ入れて香をしめていた。
— 真木柱 『源氏物語』 青空文庫
中将の君や木工などは、「悲しいことになってしまいましたね」 などと話して、歎きながら皆床にはいっていたが、夫人は静かにしていて、可憐なふうに身体を横たえたかと見るうちに、起き上がって、大きな衣服のあぶり籠の下に置かれてあった火入れを手につかんで、良人の後ろに寄り、それを投げかけた。
— 真木柱 『源氏物語』 青空文庫
式用の小道具を精巧をきわめて製作させた中でも、特に香合の箱の形、壺、火入れの作り方に源氏は意匠を凝らさせていたが、その壺へ諸所でできた中のすぐれた薫香を、試みた上で入れようと思っているのであった。
— 梅が枝 『源氏物語』 青空文庫
あなたのほかに頼む人はない」 こう源氏は言って、火入れなどを取り寄せて香をたき試みた。
— 梅が枝 『源氏物語』 青空文庫
作例 · 標準
茶道の稽古で、香を焚くために煙草盆の火入れに炭を熾す。
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灰を綺麗に整えた火入れの中に、一粒の赤い炭を置く所作は美しい。
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火入れが冷めないよう、客人が来る直前に新しい炭を足しておく。
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標準
heating
作例 · 標準
塗装を剥がれにくくするため、加工の最終工程で部品に火入れを行う。
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冬の間使っていなかった農機具のエンジンに、点検を兼ねて火入れをしてみる。
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金属を叩いて鍛える前に、炉の中で十分な火入れをして柔らかくする。
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標準
first lighting (e.g. furnace)
作例 · 標準
新しく築いた酒蔵のボイラーに火入れが行われ、いよいよ酒造りが始まった。
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陶芸家にとって、窯への火入れは数ヶ月の努力が報われるかどうかの運命の瞬間だ。
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工場の落成式では、社長の手によって巨大な溶鉱炉への火入れが厳かに行われた。
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標準
pasteurization
作例 · 標準
生酒とは違い、通常の日本酒は保存性を高めるために二度の火入れ工程を経る。
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「このお酒は火入れをしていないので、必ず冷蔵庫で保管してください」と説明された。
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火入れをすることで酵素の働きを止め、味の変質を防ぐのが醸造の基本だ。
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