丹花
たんか
名詞
標準
red flower
文例 · 用例
その時、花屋の奥で、凜として澄んで、うら悲しく、雲横秦嶺家何在雪擁藍関馬不前 と、韓湘が道術をもって牡丹花の中に金字で顕したという、一|聯の句を口吟む若山の声が聞えて止んだ。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
」 と振返って、「ですかい、」と言いつつ一目見たのは、頭禿に歯豁なるものではなく、日の光|射す紫のかげを籠めた俤は、几帳に宿る月の影、雲の鬢、簪の星、丹花の唇、芙蓉の眦、柳の腰を草に縋って、鼓草の花に浮べる状、虚空にかかった装である。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
」 むッくり下から掻い上げ、押出すようにするりと半身、夜具の紅裏牡丹花の、咲乱れたる花片に、裙を包んだ美女あり。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
階の下に立って、仰ぐと、典雅温優なる弁財天の金字に縁して、牡丹花の額がかかる。
— 泉鏡花 『七宝の柱』 青空文庫
御堂そのまま、私は碧瑠璃の牡丹花の裡に入って、また牡丹花の裡から出たようであった。
— 泉鏡花 『七宝の柱』 青空文庫
その美しき花の衣は、彼が威霊を称えたる牡丹花の飾に似て、根に寄る潮の玉を砕くは、日に黄金、月に白銀、あるいは怒り、あるいは殺す、鋭き大自在の爪かと見ゆる。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
「丹花を口に銜みて巷を行けば、畢竟、惧れはあらじ」 これは女学校友達の女流文学者K――女史が、桂子の講習所を開くとき掛額に書いて呉れた詞句だ。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
講習所の娘たちの間に、これを読んで、「丹花の呪禁」だといつて、活け剰りの花を口に銜へ、腰に手を当てゝ、映画に出て来るジヨルヂユ・サンドのやうな気取つた恰好で濶歩するのが一時流行つて、やがて廃れたが――。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
作例 · 標準
庭の片隅に、鮮やかな赤色の丹花がひっそりと咲いている。
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彼女は髪飾りに一輪の丹花を挿して、祭りの会場へ出かけていった。
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古い詩集の中で、情熱の象徴として丹花という言葉が使われていた。
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