凝乳
ぎょうにゅう
名詞
標準
curd
文例 · 用例
チチコフが振りかえって見ると、いつの間にか、蕈だの、肉饅頭だの、早焼|麺麭だの、パイだの、薄焼だの、いろんな物を入れた厚焼、例えば葱を入れたり、芥子を入れたり、凝乳を入れたり、石斑魚を入れたり、その他あらゆる混ぜものをした厚焼が、テーブルの上に堆かく盛りあげてあった。
— または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 『死せる魂』 青空文庫
羊の肋肉に次いで凝乳饅頭が出たが、こいつは一つ一つが皿よりもずっと大きかった。
— または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊 『死せる魂』 青空文庫
その一つには肉入団子が盛られて、もう一つの方には凝乳が湛へてあつた。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
すると、肉入団子の一つが鉢から跳ね上つて凝乳の中へ飛び込んだが、そこで一度でんぐり返りをしてから、ぴよんと上へ飛びあがるなり、まつすぐにパツュークの口の中へ飛びこんだ。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
と同時に、彼の口へも肉入団子が一つ飛んで来て、ハッと思ふ間に口端ぢゆうを凝乳だらけにした。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
あの黒眼鏡を一つ一つに外していったなら、あるいはその中には、天地間の孤独をあきらめきった、白い凝乳のような眼があるかもしれないが、おそらくは、眼底が窺えるほどに膿潰し去ったものか、もしくは蝦蟇のような、底に一片の執念を潜めたものもあるのではないかと思われた。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
オリガさんのところには迚もうまいスイローク〔凝乳製品〕があった。
— 一九三〇年(昭和五年) 『日記』 青空文庫
』とカテリーナ・リヴォーヴナは考える、――『凝乳をあたし、あの窓わくのところに載っけといたっけが、てっきりこの野良猫め、あれを狙っているんだわ。
— LEDI MAKBET MCENSKOVO UEZDA 『ムツェンスク郡のマクベス夫人』 青空文庫