二心
ふたごころ異読 にしん・じしん
名詞
標準
duplicity
文例 · 用例
二心なく将軍家にお仕へ申して居られまして、将軍家との間も極めて御円満の御様子に見受けられました。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
「これは自個の本意でなくて、親戚の張閑雲から強いて言われたから、しかたなくやろうとした事だ、どうか怒りをやめてくれ、我には決して二心がない」 と、これも涙を流してあやまった。
— 田中貢太郎 『碧玉の環飾』 青空文庫
筒井の二心を見ぬいて、明智方でも斎藤大八郎、柴田源左衛門等が備えていたが、こうなっては一たまりもなかった。
— 菊池寛 『山崎合戦』 青空文庫
正体が知れてからも、出遊の地に二心を持って、山霊を蔑にした罪を、慇懃にこの神聖なる古戦場に対って、人知れず慚謝したのであるる。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
右衛門を首にして織田氏に差し出して自分の二心のないことを知らせることであった。
— 菊池寛 『三浦右衛門の最後』 青空文庫
女の表裏二心は大賢をも苦しむると申すが、尤もじゃのう。
— 千代田城へ乗り込んだ退屈男 『旗本退屈男 第十一話』 青空文庫
カピ妻 と言ふのも、あの二心の下手人めが生存へてをるからぢゃ。
— ROMEO AND JULIET 『ロミオとヂュリエット』 青空文庫
二心のある女だと、心の臓の異様に動くのがまざまざと見透された。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫