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金紗

きんしゃ
名詞
1
標準
silk crepe
文例 · 用例
銘仙の袷に金紗の羽織を着、兎の毛で縁をとつたオールドローズの繻子の肩掛に寒々とくるまり、海老茶の袴を胸高く穿いてゐる。
中原中也 三等車の中(スケッチ) 青空文庫
僅かの間に櫛巻髪を束髪に直して、素晴らしい金紗の訪問着の孔雀の裾模様を引ずりながら、丸々と縛られた維倉青年の前に突っ立った。
夢野久作 女坑主 青空文庫
渋い色金紗の羽織がきちんと身に合い、手首のしまったきびきびした才人めいた風采が聡明そうに秀でた額にかかる黒髪と共にその辺の空気を高貴に緊密にして居た。
岡本かの子 鶴は病みき 青空文庫
黒絹の手袋した右手に金金具、茶なめし皮のオペラパツクを、左手に派手な透模樣のパラソルを、そして、金紗づくめのけばけばしい着附、束髪に厚化粧、三十三四と見える年頃が、停車中の車内のむしむした、變にダルな空氣をぱつと引き立たせるに十分だつた。
南部修太郎 女盗 青空文庫
張れよ、孔雀よ、尾の羽根の渦の金紗の濃むらさき。
北原白秋 第二海豹と雲 青空文庫
前に入って往った女は華美な金紗縮緬の羽織の背を見せながらその椅子の一つに手をやった。
田中貢太郎 蟇の血 青空文庫
先に入つてゐた女は派手な金紗縮緬の羽織の背を見せながらその椅子の一つに手をやつた。
田中貢太郎 蟇の血 青空文庫
瑠璃子は、その問を無視したように、黙って椅子から立ち上ると、鉄盤で掩うてあるストーヴの前に先刻三度目に着替えた江戸紫の金紗縮緬の袖を気にしながら、蹲まった。
菊池寛 真珠夫人 青空文庫