金糸
きんし
名詞
標準
gold thread
文例 · 用例
一しきり襲い来る雨の足に座敷からさす灯が映えて、庭は金糸の光に満つる。
— 寺田寅彦 『やもり物語』 青空文庫
その上にはまた金糸の繍ある派手なる帛を拡げあり。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
台の上には緋の天鵞絨に金糸の繍ある立派なる帛を投げ掛けあり。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
亀井戸の金糸堀のあたりから木下川辺へかけて、水田と立木と茅屋とが趣をなしているぐあいは武蔵野の一領分である。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
摩登伽尼の手には金糸、阿難の手には銀糸の端切れがまだ遺って居る。
— 岡本かの子 『阿難と呪術師の娘』 青空文庫
最も色合と模様は人々の好に因る、金糸にて縫ひたるもあり、縮緬、綾子、絽、等を用ふ。
— 泉鏡花 『当世女装一斑』 青空文庫
きざっぽく、どうしても子供の鎧、金糸銀糸。
— 太宰治 『創生記』 青空文庫
かかる賤しき油売の姿にわが身を扮つしてあれば、貴き言葉も疑はるるなれ――(伊留満喜三郎俄に油売の服装を脱ぎて緑の地に金糸の縁飾をとりたる邪宗門僧侶の職服にかはる。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫