金砂
きんしゃ
名詞
標準
gold dust
文例 · 用例
碧水金砂、晝の趣とは違つて、靈山ヶ崎の突端と小坪の濱でおしまはした遠淺は、暗黒の色を帶び、伊豆の七島も見ゆるといふ蒼海原は、さゝ濁に濁つて、果なくおつかぶさつたやうに堆い水面は、おなじ色に空に連つて居る。
— 泉鏡花 『星あかり』 青空文庫
碧水金砂、昼の趣とは違って、霊山ヶ|崎の突端と小坪の浜でおしまわした遠浅は、暗黒の色を帯び、伊豆の七島も見ゆるという蒼海原は、ささ濁に濁って、果なくおっかぶさったように堆い水面は、おなじ色に空に連って居る。
— 泉鏡花 『星あかり』 青空文庫
月はないが、空はあざやかに晴れて、無数の星が金砂子のようにきらめいていた。
— 岡本綺堂 『穴』 青空文庫
が、漸く眼を定めて見渡すと自分の立って居る足下には、燦爛と輝く金砂と銀砂が、鴨川石か何かのように惜しげもなく撒き散らされて居るのを見た。
— 菊池寛 『極楽』 青空文庫
しかも、美しい水の底には、一面に金砂が敷かれて、降りそゝぐ空の光を照り返して居る。
— 菊池寛 『極楽』 青空文庫
金華の一島、周圍數里、六十八峰天を刺し、四十八溪金砂を流す。
— 大町桂月 『金華山』 青空文庫
噫、冬枯や、法師めくかの行列を見てあれば、たとしへもなく静かなる夕の空に二列、瑠璃の御空の金砂子、星輝ける神前に進み近づく夕づとめ、ゆくてを照らす星辰は壇に捧ぐる御明の大燭台の心にして、火こそみえけれ、其|棹の閻浮提金ぞ隠れたる。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
噫、冬枯や、法師めくかの行列を見てあれば、たとしへもなく静かなる夕の空に二列、瑠璃の御空の金砂子、星輝ける神前に進み近づく夕づとめ、ゆくてを照らす星辰は壇に捧ぐる御明の大燭台の心にして、火こそみえけれ、其棹の閻浮提金ぞ隠れたる。
— 上田敏訳詩集 『海潮音』 青空文庫