浪花節
なにわぶし
名詞
標準
naniwabushi
文例 · 用例
蓄音機はのべつに浪花節をかけ通して居た。
— 萩原朔太郎 『悲しい新宿』 青空文庫
この股旅小唄の主旋律は、概して皆尺八的、浪花節的哀傷を帯びてるもので、日本人の民族的リリシズムとも言ふべき、旅への放浪情操をよく表現して居た。
— 萩原朔太郎 『流行歌曲について』 青空文庫
これと同じような聯想作用に関係しているためかと思われるのは、例えば落語とか浪花節とかを宅のラジオで聞くと、それがなんとなくはなはだ不自然な、あるまじきものに聞こえて困ることである。
— 寺田寅彦 『ラジオ雑感』 青空文庫
そこで、小さな懐中へ小口を半分|差込んで、圧えるように頤をつけて、悄然とすると、辻の浪花節が語った……「姫松殿がエ。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
』『ナニ別に、ただ少しばかし……』『今夜|宅で浪花節をやらすはずだから幸ちゃんもおいでなさいな、そらいつかの梅竜』お神さんは卒然言葉をはさんだ。
— 国木田独歩 『郊外』 青空文庫
』 二人は連れだって中二階の前まで来たが、母屋では浪花節の二切りめで、大夫の声がするばかり、みんな耳を澄ましていると見えて粛然としている。
— 国木田独歩 『郊外』 青空文庫
お梅は座敷の隅の方の薄暗い所に蹲居で浪花節を聞いていたが、みんなが笑う時でも笑顔一つしなかった。
— 国木田独歩 『郊外』 青空文庫
『今帰ったよ、』と大あくびをして『梅ちゃんどうして浪花節聴かないの、僕一つ聴いて来ようか。
— 国木田独歩 『郊外』 青空文庫