義理人情
ぎりにんじょう
名詞
標準
duty and humanity
文例 · 用例
その数々の線の一つずつには、線の両端に居る人間の過去現在未来の喜怒哀楽、義理人情の電流が脈々と流れている。
— 寺田寅彦 『年賀状』 青空文庫
たとえば昆虫の生活といったようなものは人間の義理人情とはなんの関係もないことである。
— 寺田寅彦 『科学と文学』 青空文庫
義理人情の着物を脱ぎ捨て、毀誉褒貶の圏外へ飛び出せばこの世は涼しいにちがいない。
— 寺田寅彦 『涼味数題』 青空文庫
一日汗水たらして働いた後にのみ浴後の涼味の真諦が味わわれ、義理人情で苦しんだ人にのみ自由の涼風が訪れるのである。
— 寺田寅彦 『涼味数題』 青空文庫
義理人情の世界、経済の世界が大阪ではない。
— 織田作之助 『わが文学修業』 青空文庫
まさか殺そうとまで計画しなかったけれども、そんなに義理人情を弁えない兄夫婦であるならば、その無節操な嫂に対して敢えて不倫を行ったところで、自分の良心に恥ずべきところは些もない筈だと考えて、窃に機会を待つことにした。
— 渡辺温 『勝敗』 青空文庫
やっぱり芝居にあるような義理人情に追いつめられたんじゃないか。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
弟妹たちと映画を見にいって、これは駄作だ、愚作だと言いながら、その映画のさむらいの義理人情にまいって、まず、まっさきに泣いてしまうのは、いつも、この長兄である。
— 太宰治 『ろまん燈籠』 青空文庫