擬制
ぎせい
名詞
標準
(legal) fiction
文例 · 用例
彼は歴史及び社會に先行する事實としての人間は一の擬制に過ぎぬと述べ、また人間と自然との交互作用をも閑却してゐない。
— 三木清 『歴史哲學』 青空文庫
天命が去るとは、天子がその【擬制的】親たる天から勘當されたことで、即ち君主としての委任解除である。
— 桑原隲藏 『支那の孝道殊に法律上より觀たる支那の孝道』 青空文庫
支那の古代に於て民衆の歸服を得た者が君主の位に即き、民衆から見離された者が君主の位を去るのを事實としても、民衆が直接に君主を廢立するのでなく、天といふ擬制的若くは假設的機關を通じて、間接に廢立が行はれるのである。
— 桑原隲藏 『支那の孝道殊に法律上より觀たる支那の孝道』 青空文庫
君主が民心を失つた爲に廢されるよりも、君主がその【擬制的】親たる天の命を奉じ得なかつた爲に、【從つて民心を失つた爲に】天から廢されるのである。
— 桑原隲藏 『支那の孝道殊に法律上より觀たる支那の孝道』 青空文庫
革命や廢立は、君主がその【擬制的】親たる天に對して、天の子たる義務を怠り、孝道に背いた時に限つて、始めて合理的と是認されるのである。
— 桑原隲藏 『支那の孝道殊に法律上より觀たる支那の孝道』 青空文庫
擬制的の親たる天に對して孝道を失すると、君主は天子としての位置を失ふと同樣に、實際の親たる祖先や父母に對して孝道を失すると、君主としての位置を失ふか、又は君主としての無資格者として、人望を失はねばならぬ。
— 桑原隲藏 『支那の孝道殊に法律上より觀たる支那の孝道』 青空文庫
その意味において、私は数年このかた「法律における擬制」(legal fiction, Rechtsfiktion)の研究に特別の興味を感じている。
— 末弘厳太郎 『嘘の効用』 青空文庫
しかし得ていないとすると、結果が悪い、貸主に気の毒だ、というわけあいで、裁判所は「許可」を擬制してしまったのです。
— 末弘厳太郎 『嘘の効用』 青空文庫