腹中
ふくちゅう
名詞
標準
within one
文例 · 用例
ただ稲荷は保食神の腹中に稲生りしよりの「いなり」で、御饌津神であるその御饌津より「けつね」即ち狐が持出されたまでで、大黒様(太名牟遅神)に鼠よりも縁は遠い話である。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
この男ひとりに限らず、芸術家というものは、その腹中に、どうしても死なぬ虫を一匹持っていて、最大の悲劇をも冷酷の眼で平気で観察しているものだ、と前回に於いても、前々回に於いても非難して来た筈でありますが、その非難をも、ちょっとついでに取り消してお目に掛けたくなりました。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
吾が心の平衡が保てぬというほどでは無いが、硬粥が煮えるときにブツブツと小さな泡が立っては消え、消えては復立つというような、取留めのない平らかならぬものが腹中に間断なく起滅するのを免れなかったことだったろう。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
敵わが腹中にはいる、と言ってにやりと薄気味わるく笑う将軍も出て来た。
— 太宰治 『苦悩の年鑑』 青空文庫
が、ただ先哲、孫呉空は、※螟虫と変じて、夫人の腹中に飛び込んで、痛快にその臓腑を抉るのである。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
その山と積んだ白紙の層が、また瞬く間に、その大腹中に吸い込まれる、と、どろどろの綿状になり、繊維になり、液状のパルプになって、また紙漉機械へ流れ入る。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
所詮、行末の計られませぬ病人を、まんろくな者と申しくるめて御引取願いましては商売冥利に尽きますると平に御宥免を願いましたが、流石に長者様とも呼ばるる御方様の御腹中は又格別なもので、さては又あれが御老人の一徹とでも申上るもので御座いましょうか、いやいやそれは要らざる斟酌。
— 夢野久作 『名娼満月』 青空文庫
よし、ここは、一奮発して、大いなる声名を得なければならぬ」と決意して、まず女房を一つ殴って家を飛び出し、満々たる自信を以て郷試に応じたが、如何にせん永い貧乏暮しのために腹中に力無く、しどろもどろの答案しか書けなかったので、見事に落第。
— ――新曲聊斎志異―― 『竹青』 青空文庫
作例 · 標準
彼は腹中に多くの計画を秘めているようだった。
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彼女は自分の腹中に湧き上がる感情を抑えきれなかった。
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長年の経験から、社長の腹中には何か考えがあると感じた。
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