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空虚感

くうきょかん
名詞
1
標準
feeling of emptiness
文例 · 用例
必ずしも全面的に納得は出来ないこういう動機で医学生になった允子は、その専門学校を卒業する近くから、ひどく生活の空虚感、乾燥に苦しむようになり、再び一つの疑問が彼女の前に現れた。
宮本百合子 山本有三氏の境地 青空文庫
それでなくとも、眩惑の底に流れているものは、いつも寂しい空虚感で、それを紛らすためには、絶えず違った環境が望ましかった。
徳田秋声 仮装人物 青空文庫
働いている若い女のひとと、働らかないで暮していられる女のひととを並べて、毎日の生活感情に空虚感なんかない筈の理由を説得しようとしても、現実にそれは承引され難い。
宮本百合子 私たちの社会生物学 青空文庫
だが、近頃、若い男女が、反動に対する消極的な反撥のポーズの一つとして、今日私たちが生きている社会の悪時代を強調し、その悪気流の中で馬鹿ででもなければ、空虚感を持たずにいられる筈がない、と思っているのには、疑問がある。
宮本百合子 私たちの社会生物学 青空文庫
スポーツとソプラノで、多数の若い女が只動物的な活力を横溢させている一方、少し頭脳型のひとは口づたえの呪文のように空虚感や無目的感を誇張するとすれば、それは今日の文化がいかに本質的に低いかを語る悲しい滑稽の一つなのである。
宮本百合子 私たちの社会生物学 青空文庫
若い真面目な女のひとが、真実今日の生活に何かの空虚感を感じたとしたら、それは、急速に、努力的に充填されなければならない個人的・社会的生活の空白に対する警笛として、寧ろ動的に、推進力として自覚されなければならないのだと思う。
宮本百合子 私たちの社会生物学 青空文庫
いわゆる気分のまぎらしどころであっては、従来の若い働く女性たちが、生活の空虚感からお花でも習う、それと質がちがわなくなってしまうであろう。
宮本百合子 働く婦人の新しい年 青空文庫
そして、善い事をしたあとの、あの空虚感よりも、惡い事に溺れてゐる、痺れるやうな落ちぶれかたの方が、房江のやうな女には身に合つてゐるのだつた。
林芙美子 暗い花 青空文庫