虚無感
きょむかん
名詞
標準
sense of emptiness
文例 · 用例
僕はかなしい虚無感から貧しい財布の底をかぞへて見た。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
叙事詩の精神は「主観に対する反語」であり、否定によっての高翔なのに、俳句はむしろ「没主観への徹入」を精神とし、東洋的虚無感――それが西洋のニヒリズムと、全然反対のものであることに注意せよ。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
そして、いかなる術も彼女の中身に現実の人間を詰めかえる術は見出しにくいと思うほど、復一の人生|一般に対する考えも絶望的なものになって来て、その青寒い虚無感は彼の熱苦るしい青年の野心の性体を寂しく快く染めて行き、静かな吐息を肺量の底を傾けて吐き出さすのだった。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
決して逃避とか独善とかとは思はぬのであるが、虚無感に追はれつゞけてゐる不具なる姿である限り、その周囲に家族さへも見出すことは堪えられぬ罪と感ぜられて、わたしはひとりで半島の果の島に落ちのびたことは事実である。
— 牧野信一 『痩身記』 青空文庫
)酒の悪酔で寝そびれた時のやうな虚無感に悶々としながら、雨戸の隙間から洩れる明るさが眼ぶしい金色に輝き出した迄、唸つてゐたが、間もなく、「もう、十時よ、起きたら何う!
— 牧野信一 『小川の流れ』 青空文庫
嘗て私は暗黒と絶望の戦時下に、幼年時代の青空の美しさだけでも精魂こめて描きたいと願つたが、今日ではどうかすると自分の生涯とそれを育てたものが、全て瓦礫に等しいのではないかといふ虚無感に突落されることもある。
— 原民喜 『死について』 青空文庫
しかし宴会がはねて自分の家に帰ると、吉池は今度は新しい虚無感に把はれてしまった。
— 原民喜 『出発』 青空文庫
」と、大陸で灼きつけられた虚無感は瀕死の妻を眼前にして、優しい追憶をたぐりよせようとしても、ぽつかりと一輪浮んだ菫の花は、銃殺死体からあまり距ててゐないところに咲いてゐるのです。
— ――創芸社刊―― 『檀一雄「リツ子・その死」』 青空文庫
作例 · 標準
失業してからというもの、毎日のように虚無感に襲われている。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
都会の喧騒の中で、ふと深い虚無感を感じることがあった。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
夢を諦めた後、彼女はしばらくの間、強い虚無感に苦しんだ。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite