柿渋
かきしぶ
名詞
標準
kakishibu
文例 · 用例
前の年に漁がおわると、柿渋をほどこして格納しておいたものだが、この一年の間に鼠喰いがないか、縄ずれがないか、擦り切れがないか、雨蒸れで脆弱になった箇所はないか、と一々詳しく調べるのである。
— 島木健作 『鰊漁場』 青空文庫
……午後、街へ出て、種物、染粉、柿渋などを買ふ。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
「これはわたしの普段着にしたいのですけれど、どちらがよろしいかお決め頂こうと思いまして」 柿渋色の地に小さな緋のあるのと、もうひとつは黒とねずみの細かい横縞であった。
— 矢田津世子 『父』 青空文庫
柿渋、李朝の秋草、越州、黒高麗、天龍の青磁、など、殊に一際目立って華手な、女王の品位を放つ万暦の鉢があった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
実際みごとな投網で、網目一つ破けておらず、柿渋も充分に利いていて、鉛の錘もずっしりとしている。
— 豊島与志雄 『田園の幻』 青空文庫
彼は一封の「黄傘格」の手紙(柿渋引の方罫紙?
— 魯迅 『阿Q正伝』 青空文庫
これこそ柿油党(自由と同音、柿渋は防水のため雨傘に引く、前の黄傘格に対す)の徽章で翰林を抑えつけたんだと思っていた。
— 魯迅 『阿Q正伝』 青空文庫
作例 · 標準
古民家の改修工事で、防腐と防虫の効果を狙って柱や床板に柿渋を丁寧に塗り重ねていった。
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祖母が長年愛用している和傘は、柿渋が塗られた和紙が深い飴色に変色していてとても美しい。
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染め物教室に参加して、麻の布を何度も柿渋の液に浸しては天日干しにする作業を体験した。
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この伝統的な一閑張りの籠は、竹かごに和紙を張り、最後に柿渋を塗って仕上げられている。
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ウィキペディア
柿渋(かきしぶ)は、渋柿の未熟な果実を粉砕・圧搾し、それを発酵・熟成させて得られる抽出液。赤褐色の半透明の液体でタンニン(カキタンニン)を多量に含む。ただし、後述のように柿渋は熟成によってカキタンニンそのものとは異なる性質も有する。
出典: 柿渋 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0