華胥
かしょ
名詞
標準
ideal land
文例 · 用例
いつ頃からかはよく分らんが、床に入って、可心持に、すっと足を伸す、背が浮いて、他愛なくこう、その華胥の国とか云う、そこへだ――引入れられそうになると、何の樹か知らないが、萌黄色の葉の茂ったのが、上へかかって、その樺色の根を静に洗う。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
其夜自分は早くから臥床に入つたが、放火の主犯者が死んで了つたといふ考へと、連夜眠らなかつた疲労とは苦もなく自分を華胥に誘つて、自分は殆ど魂魄を失ふばかりに熟睡して了つた。
— 田山花袋 『重右衛門の最後』 青空文庫
夏になると私は好んで華胥の国に散歩する。
— 辻潤 『惰眠洞妄語』 青空文庫
永き日の読書にも倦んじて、話すべき友も傍にはおらず、かかるとき肱を枕にコロリとなれば、軒の風鈴に緑を吹き来る風の音|喧からず、そのチリチリに誘われてツイ華胥の国に遊び去る、周荘が胡蝶の夢も殊の外に安らかで、醒めぎわの現なしにも愛らしき音は何の妨げともならぬぞ嬉しい。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
既に十分の陶酔に入つて華胥の夢を見てゐる客は仰向に昏昏と眠つてゐるが、まだ半醒半酔の客には、黒砂糖を錬つたやうな色の阿片を詰めた太い煙管の雁首を、介添の給仕人がカンテラの火で炙つて吸はせてゐる。
— 附 満蒙の歌 『満蒙遊記』 青空文庫
坂口は軈て華胥の国に落ちて了った。
— 松本泰 『P丘の殺人事件』 青空文庫
蛇身の神は、即ち義皇なりと云うは、『帝王世紀』に、大昊帝庖犠氏風姓也、燧人之世有巨人跡、華胥以足履之有娠、生伏羲于成紀、蛇身人首、有成徳、と記するに同じ。
— 高木敏雄 『比較神話学』 青空文庫
俺が若い時の、罪障が報ったっぺ、可いわ、娘の支度と婿殿へ引出ものをかねて、一番、宝船を漕いでまかしょ、お正月だ、祝えッて、大酒をのんだんです。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
作例 · 標準
誰もが争いのない華胥の国を夢見ている。
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彼は理想郷、まるで華胥のような世界を想像していた。
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この疲れた世の中では、華胥の夢を見るしかない。
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標準
afternoon nap
作例 · 標準
午後の日差しの中で、しばし華胥の夢を楽しんだ。
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あー、昼食後の一眠り、まさに華胥の心地だった。
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休日は、たまにソファーで華胥をむさぼるのが至福の時だ。
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ウィキペディア
華胥(かしょ)は、中国に伝わる伝説上の国。華胥国、華胥氏とも書かれる。一説に赫胥氏と同じである。
出典: 華胥 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0