花片
かへん
名詞
標準
petal
文例 · 用例
その可憐な男が、私達の前の一回の起点へ来る度に、一度は一度より増して桜の花片を多く身に着けて来るのでした。
— 岡本かの子 『病房にたわむ花』 青空文庫
とりわけ男の頭へ沢山に散りかかって居る花片の間からところどころ延びた散髪に交って立つ太い銀色の白髪が午後の春陽に光って見えるのでありました。
— 岡本かの子 『病房にたわむ花』 青空文庫
そして花片の散り落ちるように、また漏刻の時を刻むように羯鼓の音が点々を打って行くのである。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
また壁と壁の支えあげている天井との間のわずかの隙間からは、夜になると星も見えたし、桜の花片だって散り込んで来ないことはなかったし、ときには懸巣の美しい色の羽毛がそこから散り込んで来ることさえあった。
— 梶井基次郎 『温泉』 青空文庫
その花片のこぼれるあたりに遊んでいる童子たちを。
— 梶井基次郎 『冬の日』 青空文庫
ましてこの水上は、昨日孤家の婦人と水を浴びた処と思うと、気のせいかその女滝の中に絵のようなかの婦人の姿が歴々、と浮いて出ると巻込まれて、沈んだと思うとまた浮いて、千筋に乱るる水とともにその膚が粉に砕けて、花片が散込むような。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
はつと下に置くと、はづみで白い花片は、ぱらりと、藤色の地の友染にこぼれたが、こぼれた上へ、園は尚ほ密と手を当てゝ蓋を傾けた。
— 泉鏡太郎 『銀鼎』 青空文庫
火に掛けて煮ようとする鍋の上へ、少くとも其の花片は置けなかつたからである。
— 泉鏡太郎 『銀鼎』 青空文庫
作例 · 標準
散り際の花片が、道端を淡いピンクに染めていた。
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この花は、一枚一枚の花片が繊細で美しい。
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風が吹くと、桜の花片がはらはらと舞い落ちる。
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子供たちは、地面に落ちた花片を集めて遊んでいた。
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