幻辞.com

胸底

きょうてい
名詞
1
標準
the bottom of one's heart
文例 · 用例
つまり文学芸術といふ観念が自己の胸底に十分に確立しなければならぬ。
中原中也 撫でられた象 青空文庫
とまれ、十|年前の秋の一|夜、乳色の夜靄立ち罩めた上海のあの茶館の窓際で聞いた麻雀牌の好ましい音は今も僕の胸底に懷しい支那風を思ひ出させずにはおかない。
南部修太郎 麻雀を語る 青空文庫
豐島さんのは今はもう忘れてしまつたが、とにかく球突塲といふものはちよつと變つた人|間的空氣の漂ふもので球の響きの内には時とすると妙に胸底に沁みわたるやうな一|種の神|祕感が感じられる。
南部修太郎 文壇球突物語 青空文庫
」 むすめはだまつて笑つてゐたが、このときリンパー先生が、いきなりこつちを振り向いて、まるで将軍の胸底から、馬の頭も見徹すやうな、するどい眼をしてしづかに云つた。
宮沢賢治 北守将軍と三人兄弟の医者 青空文庫
しかし、その二人を連れて来るという思いつきを豹吉に泛ばせる胸底には、たしかに雪子のことがあった。
織田作之助 夜光虫 青空文庫
しかし、これこそ胸底にひた隠しに隠している自分の正体なのだ、おもては陽気に笑い、また人を笑わせているけれども、実は、こんな陰鬱な心を自分は持っているのだ、仕方が無い、とひそかに肯定し、けれどもその絵は、竹一以外の人には、さすがに誰にも見せませんでした。
太宰治 人間失格 青空文庫
なぜなら古来多くの詩人が歌ったところは、究極に於ては或る一つの、いかにしても欲情の充たされない、生の胸底に響く孤独感を訴えるから。
萩原朔太郎 詩の原理 青空文庫
私の事など、どんなに書かれたって何でも無いけれども、恩師の藤野先生や周さんが、私の胸底の画像とまるで違って書かれているので読んだ時には、かなりの苦痛を感じた。
太宰治 惜別 青空文庫
作例 · 標準
あんなに明るく振る舞っていたけれど、彼女の胸底には深い悲しみが潜んでいたようだ。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
正直に言うと、あの時の出来事が今でも私の胸底に引っかかっている。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
「本当は、ずっと感謝していたんです」と、彼は涙ながらに打ち明けた。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite
人生で最も辛かった経験が、彼の人間性を深く形作ったと言えるだろう。
幻辭AI · gemini-2.5-flash-lite