回礼
かいれい
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
going from door to door greeting relatives and friends (esp. at New Year)
文例 · 用例
それほどの大雪にうずめられている間に、のん気な江戸の人達は、たとい回礼に出ることを怠っても、雪達磨をこしらえることを忘れなかった。
— 雪達磨 『半七捕物帳』 青空文庫
彼がそれからすぐに愛宕下の湯屋へ急いで行ったのは朝の四ッ半(十一時)頃で、往来には遅い回礼者がまだ歩いていた。
— 湯屋の二階 『半七捕物帳』 青空文庫
さすがに新年早々はどこの店でも門松を立て、国旗をかかげ、回礼者の往来もしげく、鉄道馬車は満員の客を乗せて走る。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
今日と違って、その頃は年賀郵便などと云うものもなく、大抵は正直に年始まわりに出歩いたのであるから、正月も十日過ぎまでは大通りに回礼者の影を絶たず、昼は毎日賑わっていたが、日が暮れると前に云った通りの寂寥、露店も出なければ散歩の人も出ず、寒い夜風のなかに暗い町の灯が沈んで見える。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
もちろん今でも多少の回礼者を見ないことはないが、それは平日よりも幾分か人通りが多いぐらいの程度で、明治時代の十分の一、ないし二十分の一にも過ぎない。
— 岡本綺堂 『年賀郵便』 青空文庫
三ヶ日は勿論であるが、七草を過ぎ、十日を過ぎる頃までの東京は、回礼者の往来で実に賑やかなものであった。
— 岡本綺堂 『年賀郵便』 青空文庫
恭賀新年の郵便を送る先は、主に地方の親戚知人で、府下でもよほど辺鄙な不便な所に住んでいない限りは、郵便で回礼の義理を済ませるということはなかった。
— 岡本綺堂 『年賀郵便』 青空文庫
まして市内に住んでいる人々に対して、郵便で年頭の礼を述べるなどは、あるまじき事になっていたのであるから、総ての回礼者は下町から山の手、あるいは郡部にかけて、知人の戸別訪問をしなければならない。
— 岡本綺堂 『年賀郵便』 青空文庫
作例 · 標準
元旦の午前中、近隣の旧家を一軒一軒回礼して歩く父の姿は、この地域に古くから伝わる正月の風物詩となっている。
新任の挨拶に訪れた取引先に対し、礼を失しないよう、翌週にはこちらから改めて回礼に伺うことにした。
「先日はわざわざお越しいただきありがとうございました」と、手土産を携えて隣家へ回礼に回った。
正月三が日は親戚や恩師への回礼でスケジュールが埋まっており、自宅でゆっくり過ごす暇もほとんどない。