諸事
しょじ
名詞
標準
various matters
文例 · 用例
あちらはこちらと違って諸事、厳しいところもございましょう」 翁は焦つように訊いた。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
そうして geschickt と同じに、諸事についての「巧妙」の意味をもっていた。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
――先へ立つ世話方の、あとに続く一樹、と並んで、私の上りかかる処を、あがり口で世話方が片膝をついて、留まって、「ほんの仮舞台、諸事不行届きでありまして。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
諸事を改良して、欧米の劇場にならいたる興行法が、一般観客の反感を買い、さんざんの不評に終れり。
— 岡本綺堂 『明治演劇年表』 青空文庫
たった一つこれだけは漁り続けて来たつもりの食味すら、それに纏る世俗の諸事情の方が多くて自分を意外の方向へ押流し、使い廻す挺にでもなっているような気がする。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
僕はあなたが仰言った『無』それ自身充足する積極的ないのちのあるということが気になり、これを研究立証してみたくて、普通なら哲学でしょうが現代の諸事情も参酌して、純粋科学理論の物理学を選びました。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
それと逸作は、この数年来、わたくしを後援し出した伯母と称する遠縁の婦人と共々、諸事を詰めて、わたくしの為めに外遊費を準備して呉れつつあった。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
天保年間の諸事御倹約の御触に就いて、その一人物が大いに、こぼしているところなのであります。
— 太宰治 『三月三十日』 青空文庫