怪鳥
かいちょう異読 けちょう
名詞多音語
標準
mysterious bird
文例 · 用例
▲薄気味悪き工夫殿 密林|鬱乎として怪鳥梢に鳴く深山を行くこと二里余、初めて広々とした高原へ出た。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
」「その儀、その儀にござりますが、へい、何か見馴れません綺麗な鳥が、種をこぼして行ったと申して、熱海中の吉瑞、神業じゃと、皆が、大抵めでたがりました事でござりますが、さてこうなってみますると、それが早や魔の業で、種を啣えて来ましたのは、定めし怪鳥、鵺じゃろうかに手前どもが存じまする。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
なに、たいした事じゃないがね、たまには、高円寺のほうへも遊びに来てくれっていう御伝言さ」 忘れかけると、怪鳥が羽ばたいてやって来て、記憶の傷口をその嘴で突き破ります。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
東西も弁えぬこの荒野とも存ずる空に、また、あの怪鳥の鳶の無気味さ。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
巨幹と数知れぬ其の従者共(気根)とは、地球を担うアトラスの様に、怪鳥の翼を拡げたるが如き大枝の群を支え、一方、枝々の嶺の中には、羊歯・蘭類がそれぞれ又一つの森のように叢がり茂っている。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
何かひどくいやな臭いのするものを生成しているのだ――深々とうつむくその様が、私には、ひょろ長い怪鳥に見えた。
— THE ADVENTURE OF THE DANCING MEN 『踊る人形』 青空文庫
くすんだ灰色の毛と、黒い鶏冠を持った怪鳥――「だからワトソン――」とホームズが突然口を開く。
— THE ADVENTURE OF THE DANCING MEN 『踊る人形』 青空文庫
黒いクレイ・パイプを怪鳥のくちばしのように口からつきだしたまま。
— THE RED-HEADED LEAGUE 『赤毛連盟』 青空文庫