沖天
ちゅうてん
名詞
標準
rising into the heavens
文例 · 用例
海がその蔵する無限のエネルギーに押し立てられて、沖天の勢を以て陸に向って押しよせる時は、あたかも陸を一呑みにするかと思わるるほどである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
月が沖天に昇り、まさに清涼爽快、椰子の幹高く連る中を疾駆する。
— 横光利一 『欧洲紀行』 青空文庫
想ふに其の生れて世に在るや、沖天の雄志躍々として禁ふる能はず、天下を擧げて之に與ふるも心慊焉たらざりしものも、一旦|魂絶えて身異物とならば、苔塔墓陰、盈尺の地を守つて寂然として聲なし、人生の空然たる、哀しむべきの至ならずや。
— 高山樗牛 『人生終に奈何』 青空文庫
)よ、驚くもんですか」と、叱呼しながら、シャルムウズの袖をまくり、河童頭を一振り振って勢い立ったる有様は、さながらシノンの野におけるジャンヌ・ダルクのごとく意気沖天の概があった。
— 南風吹かば ――モンテ・カルロの巻―― 『ノンシャラン道中記』 青空文庫
独り劒岳は二千九百九十八米即ち三千米(最近の測量に拠れば三千三米)と称して差支ない高度を保って、而も剣戟沖天の有様を呈した山容は、槍穂高を除けば南北日本アルプスを通じて之に比す可きものがない。
— 木暮理太郎 『越中劒岳』 青空文庫
ちょうど真名古が花の家の玄関に突っ立って案内をこうているころ、時間でいえば十時十分ごろ、局長室の扉が劇しく引開けられ、警視総監を伴った大槻局長が怒気沖天の勢いで足音も荒々しく入って来た。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
堤軍次の言葉が無くとも、左馬之助の胸に巣くう憂鬱が、次第に怨恨になり、憤懣になり、枯草の下に押えられた焔のように、何時何んなキッかけを見付けて、沖天の焔をあげないとも限らない有様になって居るのでした。
— 第八夜 蛇使いの娘 『新奇談クラブ』 青空文庫
戦いである以上、秀吉とて、実は、勝敗の帰結は期し難いものを、われ勝てりと、士気すでに沖天、希望の大道を“目にも見よ”と、民衆に見せ示していた。
— 第九分冊 『新書太閤記』 青空文庫
作例 · 標準
若き日の彼の野心は、「沖天」の勢いを思わせるものだった。
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花火が夜空に「沖天」し、観衆を魅了した。
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この新興企業の成長ぶりは、まさに「沖天」の勢いだ。
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