忙しない
せわしない
形容詞
標準
restless
文例 · 用例
おきみは女中を連れて来て、いよ/\御側室の落付がつくと共に何の悪びれたところもなく、わたくしには女同志として、しんに心から同情した悔みを述べ「若旦那も、あなたさまがなにかとお心忙しないでしょうと仰言ってゞございました」と律儀に一礼しました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
枠にかかっている間、人に会わぬその慣わしを心得ているゆえ門弟たちはこの忙しない客をもてあましきっているふうだったが、またも急き立てられると渋りながらも、ひとりが告げに立った。
— 矢田津世子 『※女抄録』 青空文庫
併しながら風が少しも吹かず、一体に空気が湿つぽく落着いて居て、夕方から後、街に灯が点くと、霧を透す温かい脂色の光が凡ての物に陽気な而も奥深い陰影を与へ、華奢な男女も忙しない車馬も一切が潮染の様な濡色をして其中に動く。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫
此寒さを無理に乘り越して、一日も早く春に入らうと焦慮るやうな表通の活動を、宗助は今見て來たばかりなので、其鋏の音が、如何にも忙しない響となつて彼の鼓膜を打つた。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
「いま聞いたところによるとナ」亀さんは、はァはァ忙しない呼吸をつきながら云った。
— 海野十三 『空襲葬送曲』 青空文庫
そういいながらかえってわたしは彼の忙しない仕事を援助するのかもしれない…… あの黒猫はやがて塀の上に威張っていることが出来なくなるのだろう。
— 魯迅 『兎と猫』 青空文庫
骨ばかりの汚い手が神棚の方へ震え上り、白目がしつっこく神棚の方へ据えられ忙しない息がはっはっと神棚の方へ吐きかけられた。
— 豊島与志雄 『神棚』 青空文庫
すぐ近くの笹の中では、藪鶯が一羽二羽、ここに絵筆走らす旅人ありとも知らで、ささ啼きの声が忙しない。
— 大下藤次郎 『白峰の麓』 青空文庫
作例 · 標準
都会の忙しないリズムに慣れてしまうと、たまの休日も何をすればいいか分からなくなる。
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「そんなに忙しない食べ方をしないで、もっとゆっくり味わいなさい」
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蝉の鳴き声が忙しない午後の昼下がり、私は縁側でうとうとしていた。
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