覆い
おおい
名詞頻度ランク #4712 · 青空 212 例
標準
cover
文例 · 用例
同時にばたばたと飛び立った胸黒はちょうど真上に覆いかかった網の真唯中に衝突した、と思うともう網と一緒にばさりと刈田の上に落ちかかって、哀れな罪なき囚人はもはや絶体絶命の無効な努力で羽搏いているのである。
— 寺田寅彦 『鴫突き』 青空文庫
瓦屋根の覆いを冠った朱塗の大鳥居には、良恕法親王の筆と知られた、名高い「三国第一山」の額が架かってある。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
それかあらぬか、翁は天宙から頭上へ目庇のように覆い冠って来る塩尻の形の巨きな影を認めたかに感じた。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
そうしてこの場合、「いき」の質料因と形相因との関係が、うすものの透かしによる異性への通路開放と、うすものの覆いによる通路封鎖として表現されている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
自分は、たえられなくなって、覆いの着物をのけ、再びわが子の胸に耳をひっつけて心臓音を聞いてみた。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
T「我が慈悲道得の刀を 受けよと言うより早く」 と話す武蔵「スラリとばかりT「両刀抜き放ちて 飛びかかり」 身振り手振りも面白くT「この時妖雲 谷を覆い 山は轟々 と鳴り響く」S=辻堂 猛々と立ちこめた白煙。
— 山中貞雄 『武蔵旅日記』 青空文庫
さて暫く空を睨みいて、忽ち激しき運動にて両手を顔に覆い、両肱を机に突き、死人の如く動かずに坐りいる。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
仮装舞踊会のように私は日覆いして夜の明けるのを待ったのだが、タンゴの太い曲線が寝床の夢を誘うように、彼女が夢のなかで、宵闇せまればレジエント街の並木道を満艦飾の女が馬車でカールトン・バアで卸して頂戴ネと馭者に云う と、低唱しながら屡々、ちえ!
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
作例 · 標準
例句