絹紬
けんちゅう異読 きぬつむぎ
名詞
標準
pongee (unbleached silk)
文例 · 用例
冬は郡山(灰色の絹紬)に同じ袴を穿いていた。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
大久保氏は吊革にもぶら下らないで、左腋には読みさしの『十九世紀雑誌』の五月号を挿み、右手には幾度か俄雨にでも出会つたらしい絹紬の洋傘をついた儘じつと立ち通しでゐた。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
その時に私は更紗の着物と絹紬の着物と二枚あって、それを風呂敷に包んで持て居るから、「茲に着物が二枚ある、是れで賄の代|位はあるだろう、外に書籍もあるが、是れは何にもならぬ。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
中古の黒絽の道服に絹紬の着物の質素な裝をした老僧は杖をついて舟の中に向ふをむいて立つてゐられる。
— 琵琶湖めぐり 『湖光島影』 青空文庫
別に一ツ目小僧も出ては来なかった、これは確かに夜のもの、夜具蒲団の一団と認定のできた大包み、それを引出して解いて見ると、果してその通り、絹紬のまだ新しい夜具が現われる。
— 椰子林の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
十万講は一万講にもならなかったが、どう工面してか釣鐘は鋳金家小林誠義氏に嘱して見事に出来、賑やかに突き初めを行って和尚大得意、晩年もすこぶる元気で、茶の絹紬の被布に椀形帽子、半白の頤ひげをなびかせて飄然と来たり、なにかしら新案を持ち込んで、宜しく頼むというかと思えばサッサと帰る。
— 山本笑月 『明治世相百話』 青空文庫
この女房の母親で、年紀の相違が五十の上、余り間があり過ぎるようだけれども、これは女房が大勢の娘の中に一番|末子である所為で、それ、黒のけんちゅうの羽織を着て、小さな髷に鼈甲の耳こじりをちょこんと極めて、手首に輪数珠を掛けた五十格好の婆が背後向に坐ったのが、その総領の娘である。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
」と掠れ声を白く出して、黒いけんちゅう羊羹色の被布を着た、燈の影は、赤くその皺の中へさし込んだが、日和下駄から消えても失せず、片手を泳ぎ、片手で酒の香を嗅分けるように入った。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
作例 · 標準
彼女が着ている着物は、上質な絹紬でできており、独特の風合いがある。
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絹紬の生地は軽くて肌触りが良く、夏の衣料に最適だ。
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伝統的な絹紬の染め物は、職人の手作業によって作られる。
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