柝
き異読 たく
名詞頻度ランク #42802 · 青空 44 例
標準
wooden clappers (signalling the beginning or end of a performance)
文例 · 用例
夜が更けて夜番の撃柝の音がきこえ出すと、堯は陰鬱な心の底で呟いた。
— 梶井基次郎 『冬の日』 青空文庫
「おやすみなさい、お母さん」 撃柝の音は坂や邸の多い堯の家のあたりを、微妙に変わってゆく反響の工合で、それが通ってゆく先ざきを髣髴させた。
— 梶井基次郎 『冬の日』 青空文庫
夜は火の廻りの柝の音が絶えずきこえて、霜に吠える家々の犬の声が嶮しくなる。
— 大久保にて 『郊外生活の一年』 青空文庫
之を詳言して、或は柝ち或は合して、某々の氣の義は何、某々の氣の意は何とせんことは、煩瑣をだに厭はずば爲し能はざるにあらずと雖も、強ひて之を力むるも蓋し勞多く功少からんのみである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
それでも遣ってみても出来そうもない奴は、立ったり、居たり、ボウルドの前へ出ようとして中戻をしたり、愚図々々|迷ついてる間に、柝が鳴って、時間が済むと、先生はそのまんまでフイと行ってしまうんだッて。
— 泉鏡花 『化銀杏』 青空文庫
柝木の響と彼の目玉と相聯関して三階の喝采を博する時、吾人は何等の妙味をも感ぜざるなり。
— 北村透谷 『劇詩の前途如何』 青空文庫
我が劇の鳴物(音楽、柝木、鐘、その他を含みて)、複雑を極めたるも亦一種の特質なり。
— 北村透谷 『劇詩の前途如何』 青空文庫
近所の小店で時を打つ柝の音が拍子を取って遠くきこえるのも寂しかった。
— 岡本綺堂 『箕輪心中』 青空文庫
作例 · 標準
柝の音が響き渡り、静かに幕が上がった。
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パパン、と威勢よく柝を打って、芝居が始まる。
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柝の音と共に、役者が花道から颯爽と登場した。
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「あの柝の音を聞くと、いよいよって感じがしてワクワクするなあ。」
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